プレスリリース
竹内浩三生誕100年記念事業について
伊勢記者会の皆様
2021年3月23日
竹内浩三生誕100年記念事業実行委員会
いつもご報道いただき厚くお礼申し上げます。
さて、昨年7月に実行委員会を立ち上げて以降、記念事業について討議を重ねてきましたが、ほぼ決定し、4月からスタートを切ることになりました。コロナ禍ではありますが、
感染予防に努めながら多くの人たちにご参加をいただき、生誕100年を盛り上げていきたいと思っております。今日は、お忙しい中、説明の機会を持っていただき感謝いたします。
つきましては、下記についてご説明をさせていただきます。よろしくお願いします。
今日の説明のテーマ
生誕100年記念事業について
寄付、クラウドファンディングの実施について
この件についての報道の問い合わせ
竹内浩三生誕100年記念事業実行委員会事務局
連絡先 中村賢一 090-2341-3766
1.生誕100年記念事業について
①竹内浩三生誕100年祭 5月8日(土)
②市内中学生への青年劇場「きみはいくさに征ったけれど」の演劇鑑賞会
③記念イベント「さあ、竹内浩三を語ろう 歌おう」11月23日(火・祝)
⑤竹内浩三関係資料のデータ化・保存・閲覧
⑥「竹内浩三と仲間たち展」(仮称)の開催 11月20日(土)~28日(日)
⑦竹内浩三ゆかりの地めぐり
①竹内浩三生誕100年祭を行います
竹内浩三の誕生日、5月12日前後に毎年生誕祭を開催してきて20年となりました。今年は生誕100年を記念して盛大に開催します。
5月8日(土) 伊勢市立小俣図書館 2階ホール
〇五月女ナオミ コンサート
〇日本大学芸術学部映画学科 廣瀬勇誠 卒業制作
ドキュメンタリー作品「日本が見えない 竹内浩三の詩2020」上映
〇小学生から大人まで竹内浩三の詩を朗読する
五月女ナオミは横須賀市を拠点とする「Y劇場」の代表。1984年小園弥生作曲「骨のうたう」を歌い始める。2000年、浩三の姉、松島こうに届けようと「骨のうたうを聴いていただく会」を開催し、その後「歌をとどける旅」として竹内浩三の歌を全国各地で歌い続けている。
②市内中学生への青年劇場「きみはいくさに征ったけれど」の演劇鑑賞会を企画しています
劇団「秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場」は、生きづらさを抱える中高生に勇気を与えるような新たな演目を探すなか、稲泉連『ぼくもいくさに征くのだけれど』中央公論社(2004)の中に「竹内浩三」を見い出します。伊勢出身の劇作家大西弘記氏脚本による、竹内浩三を現代によみがえらせた演劇「きみはいくさに征ったけれど」は、2018年、東京と伊勢の公演を成功させ、全国の高校などでの公演が行われ好評を博しています。この公演をぜひとも伊勢市の中学生に鑑賞させたいと、協賛をお願いして進めています。
青年劇場HP https://www.seinengekijo.co.jp/s/kimiha/kimiha.html
③記念イベント「さあ、竹内浩三を語ろう 歌おう」を実施します
11月23日(火・祝日)午後2時~4時
伊勢市生涯学習センターいせトピア 多目的ホール。
第1部「語ろう」は、対談形式で竹内浩三を各自の視点から語りあいます。
対談者に、稲泉連氏(作家)と大西弘記氏(劇作家)を予定しています。
(もう一人、著名なある方に出演の交渉をしております)。
第2部「歌おう」は谷篤氏 と 宇治山田高校同窓会合唱団「プラチナ2000」による歌と朗読です。
「プラチナ2000」は宇治山田高校の合唱部OBを中心に演奏会などの活動をしており、今回は、宇治山田高校の先輩である竹内浩三の詩に作曲された作品も披露される。
谷篤(たに あつし)津市出身の声楽家。歌と朗読を合わせたドラマティックリーディングのコンサートを続けており、竹内浩三の詩を取り上げてきている。また竹内浩三の母校、日本大学芸術学部でも教鞭をとっていて、関連の深い演奏家である。
④竹内浩三詩碑(記念碑)の建立
竹内浩三の青春の地、宇治山田中学校跡地(伊勢市船江1丁目 船江公園)に詩碑を建てて聖地として記念したいと企画しています。
昭和9(1934)年に旧制宇治山田中学校に入学した竹内浩三は、手作りのマンガ雑誌を回覧したり、学校に内緒で映画を見に行ったり、多くの友人たちと中学生活を謳歌します。しかし彼の自由さは軍国の時代には問題視され、しばしば父親が学校に呼び出されたり、一年間柔道教師の家に身柄を預けられたりしました。笑い出すと止まらない明るい性格、ひょうきんで憎めない人柄、これらがのちの文学仲間との友情を育みますが、戦争の影は濃くなっていきます。中学校の大先輩に映画監督の小津安二郎がいたこともあってか、父親の猛反対にもかかわらず、浩三は映画監督になる夢を抱き続けます。
竹内浩三の詩碑としては、朝熊山・金剛證寺の墓地に建つ「戦死ヤアハレ」の碑が有名ですが、もうひとつ、13歳から18歳までの竹内浩三を感じることができるような碑を作りたいと願っています。
写真左<伊勢市船江1丁目にある船江公園が跡地>
写真中<船江公園には小津安二郎の碑があり「無常迅速 もう一度中学生になり度いなあ 会い度い会い度い もう一度中学生になり度いなあ」と刻されている。>
写真右<朝熊山上、金剛證寺 奥の院入り口にある竹内浩三の墓と「戦死ヤアハレ」の詩句が彫られた詩碑>
⑤竹内浩三関係資料のデータ化・保存・閲覧
竹内浩三の資料は、遺族の依頼によってすべて「本居宣長記念館」に大切に保存されています。しかし紙の劣化は進み、現在では一般に閲覧できる状態ではなくなっています。
竹内浩三の資料(同人誌、日記、手紙、写真等)を図書館等で閲覧できるようするため、伊勢市教育委員会を中心に複製やデジタル化に取り組んでいます。これにより、多くの人が資料を目にすることができ、研究の進展が期待されます。
⑥「竹内浩三と仲間たち展」(仮称)を開催します
現存資料の直接展示が難しいなかで、伊勢市らしい展示を計画します。
11月20日(土)~28日(日) 伊勢市立伊勢図書館
市が所有する「伊勢文学」の実物展示のほか、パネル展示等により、竹内浩三と友人たちの創作活動を紹介する予定です。また、「伊勢文学」『愚の旗』等のデジタル化、複製の工程をも併せて展示します。(詳細は未定です。展示内容等は変更となる場合があります)。
また、本居宣長記念館(松阪市)でも8月7日(土)から8月15日(日)の間、竹内浩三の資料の一部が展示される予定です。
⑦竹内浩三ゆかりの地めぐり
竹内浩三が学んだ宇治山田中学校の跡地を起点にして、伊勢の古い建物が今も残る河崎の町並みや、生家跡地などをめぐるツアーを行います。伊勢の町のあちこちに設置された竹内浩三の詩のパネルも見て回り、竹内浩三という自由な魂を育てた伊勢の町を案内して、伊勢の豊かな文化にも触れてもらえるツアーとして計画します。
この事業は、明倫地区まちづくり協議会との共催で進めてゆく予定です。
⑧詩のパネルの設置
竹内浩三の詩パネルが市内各所に建てられていますが、次には詩「宇治橋」のパネルを建てたいと願っています。設置場所等は未定です。
以下写真左から
〇伊勢市立明倫小学校の門のそばに「三ツ星さん」>
〇三重県立宇治山田高等学校の入り口辺りに「我が学校」>
〇伊勢市立伊勢図書館の側に「よく生きてきたと思う」>
○生家跡地あたり、スーパー「ぎゅーとらエディース八間通店」敷地に「うどん」・「しかられて」の両面パネル>
2.寄付・クラウドファンディングの実施について
今回の事業のうち ②演劇鑑賞会 ③「さあ、竹内浩三を語ろう 歌おう」 ④詩碑建立は、実施予算が不足しており、ご支援をお願いしなければなりません。また、竹内浩三や今回の事業についてより広く知っていただきたいと考え、クラウドファンディングを立ち上げ、同時に地元のみなさんへの直接のご寄付もお願いしようということになりました。
①クラウドファンディング
期間 :4月1日~6月30日
タイトル:「きみに届けこの詩 伊勢の詩人・竹内浩三生誕100年記念イベントをしたい!」
アドレス:https://motion-gallery.net/projects/takeuchi-kozo
※チラシ等にQRコード表示
目標金額:100万円 (目標額に達成しなくてもイベントは実行する)
募集金額:3000円以上各コース
リターン(返礼品):詳細はサイトでご確認ください。
伊勢発信の企画ということで伊勢を感じてもらい、竹内浩三を身近に置いてもらえるような品を準備する。
・伊勢和紙にプリントした竹内浩三自筆ポストカード(大豐和紙工業)
・チラシデザインのクリアファイル
・2022年版伊勢講暦(カレンダー 伊勢文化舎)
・復刻版『愚の旗』
・オリジナル版「竹内浩三」詩集(活版印刷)40部限定
・竹内浩三蔵書印(手作りレプリカ)5個限定
※同時に「竹内浩三ホームページ」を立ち上げ、さまざまに参照できるように準備します。
https://kozo-takeuchi.club
②一般寄付
地元の方々に、竹内浩三や今回の事業を身近に知っていただくためにと、直接のご寄付もお
願いします。
期間:4月1日~9月30日
金額:1口1,000円から
返礼:3,000円のご寄付からは、クラウドファンディングと同等の返礼品を後日お届けする。
③企業・団体協賛
②の演劇鑑賞会については、現在「神都ライオンズクラブ」さまよりご協賛いただける旨のお申し出をいただいております。その他、企業様 団体様のご協賛については受け付けておりますのでご支援をお願いします。
3 告知のポスター、リーフレットの制作、配布について
ポスター、リーフレットの制作意図
竹内浩三の代表作「日本が見えない」は2001年、竹内研究家の小林察(さとる)氏が、竹内の姉の実家の書庫で、ドイツ語教科書の見返しの裏側の余白に書かれているのを偶然発見しました。書かれた時期は日大の3年生(21歳)のころです。約60年もの間、誰の目にも触れられていませんでした。この詩が書かれた時期(昭和17年6月)は日本が太平洋戦争突入後の厳しい戦時下にありました。やがて自分も徴兵され戦地に征かねばならない重苦しい状況を、彼は冷静に見て「日本が見えない」を書きました。
2001年の11月にこの詩を入れた全集『日本が見えない』(藤原書店)が出版されるや、新聞の書評欄などで紹介されて大きな反響を呼びました。作家の稲泉連は竹内浩三の名前と作品を、この『日本が見えない』を読んで知り、「戦争の時代にこのような詩を書く人がいたことに衝撃を受けた」と、『ぼくもいくさに征くのだけれど』を執筆し、第36回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞しました。最近では小説家の宮内悠介氏が『遠い他国でひょんと死ぬるや』(祥伝社)を書き、また竹内の後輩にあたる、日本大学芸術学部映画学科(この3月で卒業)の廣瀬勇誠君が「日本が見えない竹内浩三の詩2020」のドキュメンタリーを制作しました。
この詩には、時代は変わっても、多くの人たちの共感を呼ぶ強いメッセージ性があると思われ、ポスター、リーフレットの制作にあたり、皆さんに知っていただこうと掲載しました
このリーフレット、ポスターは3月末から配布していきます。
第1弾リーフレット
テーマー 竹内浩三さん 今の「日本」が見えますか?
サイズ A4判両面カラー
枚数 3000枚
発行 3月25日
配布 実行委員会所属団体
伊勢市の文化施設
三重県の文化施設
その他
第1弾ポスター
サイズ A3判カラー
枚数 100部
配布・掲示 実行委員会所属団体
伊勢市の文化施設
生誕100年のロゴマークを制作
生誕100年を印象づけるためにロゴマークを制作し、全ての記念事業に使用する。
ロゴマークのイラストは竹内浩三本人が描いた自画像(マンガ)
生誕100年記念事業についての問い合わせ
竹内浩三生誕100年記念事業実行委員会事務局
電話 0596-23-5166(伊勢文化舎内)